「喘息症状の見分け方ベストテン」では、気管や気管支が狭まって呼吸困難になる喘息症状、テオドールなどの気管支拡張薬について解説。喘息症状が出たときの対処法、喘息をこじらせたときの話など
喘息症状の見分け方のひとつに、激しい咳き込みをしているかどうかがあります。また、「ゼーゼー」という、息がノドにひっかかって音を出す“喘鳴”も挙げられます。咳をしているのは風邪の症状に似ているため、「風邪をひいたのかな」と思われるかもしれませんが、喘息症状であれば前述の症状が激しく現れます。特に喘息の場合は、夜眠れないほどの激しい発作に見舞われます。咳が出ていると思ったら、激しい咳き込みをしているかどうか、ゼーゼーという音が聞こえるかどうかで、風邪と喘息を見分けるようにしてください。
喘息症状が出て、咳き込みによって呼吸困難や酸欠を起こし、時に死に至ることもあります。それが喘息症状です。私は子供の頃、近所の町医者に“風邪”と診断され、その後症状が改善せずに、気管支喘息で半年ほど入院したことがあります・・・喘息症状だろうと風邪であろうと、安易に判断せずに、激しい症状が現れたら大きな病院で診てもらったほうがよいと思います。
喘息症状が出たら、ネブライザーという薬剤を吸入する器具を使用します。この吸入器、小児喘息の少年・少女が使用しているのを、映画とかで見たことがある人も多いでしょう。ネブライザーにはジェット式や超音波式、液剤ではなくパウダーを使用するものなどいろいろありますが、どの吸入器を使うかは専門医に相談して決めなければなりません。
また、喘息症状が出た場合には、部屋の空気にも気をつけましょう。ダニの死骸が気管支を痛め、喘息症状を悪化させることがあるからです。最近は、空気を清浄する機能がついたサイクロン方式の掃除機もあります。海外製で値段はまだ高いですが、喘息の家族がいる家庭では、これ以上喘息症状を悪化させないために、こうした空気の汚れを落とすものを購入してみるのも良いかもしれません。
「喘息体操」という体力づくりのトレーニング方法もあり、この体操によって喘息症状が軽減された喘息患者さんもいます。これは炎症が治ったわけではなく、呼吸筋が鍛えられたためですが、喘息で悩まれてる方はぜひ試してみてください。
気管支喘息、慢性気管支炎、肺気腫、気管支拡張症などの慢性呼吸器疾患を持っている人が喘息をこじらせると、持病の呼吸器の病気が悪化します。喘息症状が悪化してくると、まず気管支が狭くなっていきます。ノドが膿んだようになり、そのウミが固まって気道が肥厚します。当然、呼吸は苦しくなり、以前よりも短時間で喘鳴が出るようになります・・・さらには呼吸困難を引き起こし、ひいては喘息死にいたることもあります。喘息をこじらせることで様々な合併症をも呼び込みやすくなってしまうでしょう。
このように喘息は決してあなどってはいけません・・・場合によっては喘息治療のための入院措置が必要になることもあります。喘息症状がいつもと違うなと思ったり、ちょっとでも悪化している兆候を感じたら、すぐに専門医に診てもらったほうがよいでしょう。
喘息症状は夜間から明け方にかけて起こることが多く、ゼーゼーヒューヒューという呼吸音で喘息発作になったことが分かります。テオドールなどの気管支拡張薬で発作を止めることはできますが、入院が必要な重症の喘息症状もありますので、発作が起きたときはなるべく早く病院へ行きましょう。
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